「潜在教員」掘り起こし支援=成り手不足解消狙う―文科省 2023年08月12日

 文部科学省は、教員免許を持っていても学校で教えていない「潜在教員」を掘り起こすため、2024年度から自治体への支援に乗り出す。大学や企業との連携を促し、潜在教員向けの研修や広報啓発活動などの費用を補助する方向。教員の成り手不足の解消につなげる狙いだ。同年度予算概算要求に関連経費を盛り込む。
 教員志望者は減少傾向にあり、人材確保が喫緊の課題。公立小学校教員の採用試験の倍率はピークだった00年度の12.5倍から、22年度は2.5倍まで低下した。文科省は、新卒者の志望者を増やすため教員の処遇改善や働き方改革を進めると同時に、潜在教員の活用を積極的に推進する考え。
 そこで同省は24年度から、潜在教員の掘り起こしに向けた自治体の取り組みを支援する。地域の産官学で構成する協議会が中心となって活動することを想定。教員免許の取得から一定期間がたっている人に対し大学で研修プログラムを提供する場合などに費用を補助する。卒業生の就職先などに関する大学の情報も活用し、教員になるのを希望する人材の把握に役立ててもらうことも考えられる。
 企業や経済団体を通じ、教員免許を持っていないものの、異なる職業への挑戦を考えている会社員らへの働き掛けも行う。リスキリング(学び直し)により教員免許の取得を促し、教員として新しいキャリアへ進む選択肢を提案する。 

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文部科学省庁舎=東京・霞が関
文部科学省庁舎=東京・霞が関

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