保険証廃止、総点検踏まえ判断=資格確認書、一律交付―岸田首相「不安払拭に万全」 2023年08月04日

 岸田文雄首相は4日、首相官邸で記者会見し、現行の健康保険証を2024年秋に廃止し、マイナンバーカードと一体化する方針を当面維持しつつ、今秋の総点検などを踏まえ「さらなる期間が必要と判断される場合、見直しも含め適切に対応する」と表明した。マイナ保険証を持たない人全員に保険証に代わる「資格確認書」を一律交付し、有効期限を最長5年にすると明らかにした。
 首相は冒頭、マイナを巡ってトラブルが相次いだことについて、「国民の不安を招きおわびする」と陳謝。8日に総点検本部を開催し、中間報告と再発防止策を公表すると語った。その上で、デジタル化で質の高い医療が実現するなどとメリットを挙げ、「国民に選ばれるマイナ保険証にしていくことに全力を尽くす」と述べ、信頼回復に努める考えを強調した。
 健康保険証を来年秋に廃止する政府方針に関しては「現時点で廃止時期の見直しありきではない」とも語った。
 資格確認書については、「マイナ保険証を保有していなくてもこれまで通り保険医療を受けることができる」と説明。「国民の不安払拭に万全の対応を取る」と語った。
 首相は新型コロナウイルス禍での行政の対応が諸外国に比べて遅れたことを踏まえ、「デジタル敗戦を二度と繰り返してはならない」と指摘。「国民の信頼を取り戻した上で、デジタル改革を本格的に進めていく」と訴え、「この秋から令和版デジタル行財政改革を始動する準備を進める」とも述べた。
 中間報告に関し、首相は会見に先立って河野太郎デジタル相や加藤勝信厚生労働相、松本剛明総務相と協議した。 

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記者会見する岸田文雄首相=4日午後、首相官邸
記者会見する岸田文雄首相=4日午後、首相官邸

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