景気判断、3地域で上方修正=個人消費が回復―日銀 2023年07月10日

 日銀は10日、夏の支店長会議を開き、全国を9地域に分けて景気動向を分析した「地域経済報告(さくらリポート)」を取りまとめた。景気判断は、東海、中国、九州・沖縄の3地域で上方修正。6地域は据え置いた。コロナ禍からの経済正常化に伴って個人消費の回復の動きが広がった。
 日銀は、依然として資源高の影響などがあるとしつつも、「すべての地域で景気は持ち直し、または緩やかに回復している」と指摘した。
 個人消費は関東甲信越や九州・沖縄など5地域で判断を引き上げた。4地域は据え置いた。新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが「5類」に移行し、サービス業を中心に消費が拡大。インバウンド(訪日客)需要が好調だったことも追い風になった。
 ただ、生活必需品の値上げに伴う消費者の節約志向の高まりに加え、飲食・宿泊などサービス業では、人手不足による需要の取りこぼし懸念も台頭している。
 消費の先行きについて、中島健至大阪支店長は記者会見で「雇用・所得環境の改善が寄与しているが、物価上昇が現在の基調に影響を及ぼさないか注意深く点検する必要がある」と強調した。 

その他の写真

日銀支店長会議=10日午前、日銀本店
日銀支店長会議=10日午前、日銀本店
日銀支店長会議に臨む日銀の植田和男総裁(中央)=10日午前、日銀本店
日銀支店長会議に臨む日銀の植田和男総裁(中央)=10日午前、日銀本店

特集、解説記事