全国150信金、8月末から順次参加=スマホ無料送金「ことら」 2023年06月15日

 個人間でスマートフォンを使った少額送金が行える「ことら送金」サービスに、全国約150の信用金庫が8月末から9月にかけて順次参加することが15日、分かった。既に参加している大手銀行や地方銀行に全国各地の信金が加わることで、スマホ送金の使い勝手が向上しそうだ。
 「ことら送金」は昨年10月に始まった。1件10万円以下の送金なら手数料が無料となっている。サービスに参加している金融機関を利用する個人間であれば、スマホのアプリを用いて相手の携帯電話番号を入力して送金できる。親子間の仕送りや、代金の支払いを仲間で割り勘にする際などにも手軽に利用できる。
 大手銀行が出資して決済システムを運営する「ことら」(東京)によると、対応する金融機関の数は今年5月末時点で大手銀・地銀の計49。この夏に京都中央信用金庫、岡崎信用金庫など各地の信金が加わると約200に拡大する。今年度中には、参加信金数が全国の約3分の2を占める約170となり、全体では230を超える金融機関で利用可能になる予定だ。
 ことら送金の利用件数は、サービス開始当初の昨年10~12月の18万件から今年1~3月には60万件へ増えており、4~6月には100万件程度になる見通し。
 4月には給与のデジタル払いが解禁されており、キャッシュレス支払いの需要は今後も高まる見込み。ことらは参加金融機関の裾野を広げ、利便性を高めていきたい考えだ。 

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