4月の経常黒字76%増=燃料高一服、貿易収支が改善―財務省 2023年06月08日

 財務省が8日発表した4月の国際収支速報によると、海外とのモノやサービスの取引、投資収益の状況を示す経常収支は、前年同月比76.3%増の1兆8951億円の黒字だった。黒字は3カ月連続。エネルギー価格の高騰が一服して輸入額が減少し、輸出から輸入を差し引いた貿易収支が改善した。
 輸出額は米国向けを中心に自動車が伸び、2.6%増の8兆2234億円となった。一方、輸入額は4.1%減の8兆3366億円。原油、液化天然ガス(LNG)の輸入額がともに約25%減少したことが輸入額全体を押し下げた。貿易赤字は1131億円(前年同月は6841億円の赤字)に縮小した。
 サービス収支は6465億円の赤字(同1兆28億円の赤字)に改善した。水際対策の緩和・終了に伴い、訪日客が回復し、旅行収支の黒字幅が拡大したことが寄与した。
 配当金や利子の収支を示す第1次所得収支は3.1%増の3兆663億円の黒字だった。債券利子の受け取り増加で、証券投資収益が膨らんだ。4月の黒字額としては、比較可能な1985年以降で最大となった。 

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