GDP、年2.7%増に上方修正=2期連続プラス、在庫が寄与―1~3月期改定値・内閣府 2023年06月08日

 内閣府が8日発表した2023年1~3月期の国内総生産(GDP、季節調整済み)改定値は、物価変動の影響を除いた実質で前期比0.7%増、この成長が1年続いた場合の年率換算で2.7%増となった。5月に発表した速報値(前期比0.4%増、年率1.6%増)から上方修正された。企業の在庫による押し上げ効果が大きかった。22年10~12月期がプラス成長に遡及(そきゅう)改定されたため2四半期連続のプラスとなった。
 直近の経済指標を反映させた結果、民間在庫の変動がGDPの増減に与える影響(寄与度)が、速報値のプラス0.1%からプラス0.4%に上振れした。企業が抱える自動車など輸送用機械の仕掛かり品在庫が寄与した。さらに、設備投資も研究開発などが盛んで、前期比1.4%増(速報値は0.9%増)に見直した。
 内需の柱である個人消費は0.5%増(同0.6%増)と下振れした。外食が速報段階の想定より振るわなかったのが要因。輸出は4.2%減、輸入は2.3%減と、それぞれ速報値から変わらなかった。
 物価変動の影響を反映して生活実感に近い名目GDPも前期比2.0%増、年率8.3%増と、速報値(前期比1.7%増、年率7.1%増)を上回った。
 22年度の実質GDP成長率は前年度比1.4%増(速報値は1.2%増)と、2年連続のプラス。ただ、実額では548兆円となり、コロナ禍前の19年度(550兆円)に届かなかった。 

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