出生率、過去最低1.26=コロナ影響で17年ぶり低水準―22年、赤ちゃん80万人割れ・厚労省 2023年06月02日

 厚生労働省は2日、2022年の人口動態統計を公表した。1人の女性が生涯に産む子どもの推計人数を示す合計特殊出生率は過去最低(05年)と並ぶ1.26で、17年ぶりの低水準となった。年間出生数は77万747人で、1899年の統計開始以来、初めて80万人を割り込んだ。
 政府は「異次元の少子化対策」の実現に向け、児童手当の拡充など年3兆5000億円に上る見込みの「こども未来戦略方針」の素案を1日に公表した。統計からは、社会の持続可能性に深刻な影響を及ぼす人口減少が進んでいることが明らかになった。
 未婚化・晩婚化のほか、新型コロナウイルスの感染拡大などで20、21年の婚姻数は戦後最少を更新し、生まれた赤ちゃんの数に影響したとみられる。厚労省の担当者は「妊娠や出産、育児に不安を感じるなど、少なからず新型コロナが影響した可能性がある」と話した。 

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