実質賃金、1.8%減=8年ぶり落ち込み幅―物価高が家計圧迫・22年度 2023年05月23日

 厚生労働省が23日発表した2022年度の毎月勤労統計調査(確報、従業員5人以上)によると、現金給与総額(名目賃金)に物価の変動を反映させた実質賃金は、前年度比1.8%減少した。2年ぶりのマイナスで、落ち込み幅は消費税増税の影響で物価が上昇した14年度(2.9%減)以来、8年ぶりの大きさとなった。
 コロナ禍からの経済活動の正常化を背景に名目賃金は増加したものの、物価の伸びに追い付かなかった。相次ぐ値上げが家計を圧迫している実態が改めて示された格好だ。
 基本給や残業代などを合わせた22年度の名目賃金は1人当たり月平均で32万6308円となり、前年度に比べて1.9%増えた。増加幅は1991年度以来、31年ぶりの大きさ。就業形態別では、正社員ら一般労働者が2.3%増の43万392円、パートタイム労働者は2.8%増の10万2791円だった。
 一方、実質賃金の算出に用いる22年度の消費者物価指数(持ち家の帰属家賃を除く総合)は3.8%上昇。食品価格や電気代、ガス代などが高騰し、名目賃金の伸びを上回った。 

特集、解説記事