大手賃上げ率3.91%=23年春闘、30年ぶり水準―経団連 2023年05月19日

 経団連は19日、大手企業の2023年春闘の回答・妥結状況(第1回集計、15業種92社)を公表した。定期昇給を含む月例賃金の引き上げ率は3.91%(1万3110円)と、前年(2.27%、7430円)を大きく上回った。
 経団連によると、同様の水準になったのは1993年(3.83%、1万759円)以来30年ぶりという。
 今春闘では歴史的な物価高や人手不足の深刻化を背景に、従業員の基本給を底上げするベースアップ(ベア)について、労働組合の要求に対し満額回答が相次いだ。経団連は「賃上げのモメンタム(機運)は一段ギアが上がった」と指摘した。
 業種別では、2年ごとに賃上げ交渉を行う鉄鋼を除く14業種で賃上げ率が前年を上回った。特に造船は6.06%(前年は2.20%)となった。業種別で6%台を超えるのは、比較可能な92年以降では初めてという。
 ほかにも、機械金属が5.01%(同2.66%)、建設が4.64%(同3.00%)となるなど、急速に伸びた業種が相次いだ。 

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経団連会館=東京都千代田区
経団連会館=東京都千代田区

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