貿易赤字4324億円に半減=先行き不透明、再拡大リスク拭えず 2023年05月18日

 財務省が18日発表した4月の貿易統計速報によると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支の赤字額は4324億円となり、前年同月の半分に縮小した。原油や液化天然ガス(LNG)などの資源価格高騰が落ち着き、輸入額が27カ月ぶりに減少したのが要因。ただ、世界経済の先行きは不透明で、供給混乱で需給が逼迫(ひっぱく)すれば再び資源高に見舞われて赤字幅が再拡大するリスクは拭えない。
 原油の輸入額が25カ月ぶりに減少に転じるなど、記録的な高騰が続いていた前年と比べて資源高は一服。全体の輸入額は、前年同月比2.3%減の8兆7208億円だった。
 一方、輸出額は、半導体不足などによる生産制約が緩和した自動車の輸出増が寄与し、2.6%のプラスとなった。比較可能な1979年以降で4月としては最大の8兆2884億円だった。 

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