GDP、3期ぶりプラス=年1.6%増、消費けん引―海外減速に不安・1~3月期 2023年05月17日

 内閣府が17日発表した2023年1~3月期の国内総生産(GDP、季節調整済み)速報値は、物価変動の影響を除いた実質で前期比0.4%増、この成長が1年続いた場合の年率換算で1.6%増となった。22年10~12月期がマイナスに改定されたため、プラス成長は3期ぶり。コロナ禍からの経済活動の正常化に伴う個人消費の増加が景気の持ち直しを支えたが、海外経済減速の影響もみられ、回復の持続には課題が残る。
 1~3月期のGDPの増減に与える影響(寄与度)は内需がプラス0.7%だったのに対し、外需はマイナス0.3%だった。内需の柱である個人消費は前期比0.6%増と4期連続のプラス。外出の増加で外食や宿泊などサービス消費が好調だったことに加え、供給制約の緩和で、自動車の販売が回復した。設備投資も0.9%増と2期ぶりのプラス。国内販売が好調だった自動車への投資支出の増加が寄与した。
 一方、輸出は4.2%減と6期ぶりのマイナス。統計上は輸出に分類するインバウンド(訪日外国人)消費が伸びたが、世界的な半導体市況の悪化を受けた半導体製造装置の落ち込みや自動車の減少などが響いた。
 同時発表した22年度の実質GDP成長率は前年度比1.2%増と2年連続のプラスを確保した。金額は、名目ベースでは物価上昇の影響で561兆円と比較可能な1994年度以降で最高となったが、実質では547兆円とコロナ前の19年度(550兆円)を下回った。 

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