貿易赤字最大、21.7兆円=資源高・円安、輸入額32%増―22年度 2023年04月20日

 財務省が20日発表した2022年度の貿易統計速報(通関ベース)によると、輸出額から輸入額を引いた貿易収支は21兆7285億円の赤字となった。赤字幅は前年度比3.9倍に拡大し、比較可能な1979年度以降で最大。ロシアのウクライナ侵攻で原油などの資源価格が上昇、円安の影響が重なり、輸入額が32.2%増えたためだ。
 貿易赤字は2年連続で、購買力の海外流出を示す。輸入額を押し上げる原油高と円安の進行はいったん落ち着いているが、海外経済減速で輸出額が低迷する可能性もあり、赤字は続きそうだ。
 これまでで最大の貿易赤字は、東日本大震災後の原発の稼働停止で火力発電用燃料の輸入が増えた13年度の13兆7564億円だった。
 22年度の輸出額は15.5%増の99兆2265億円で過去最高となったが、輸入額の伸びが上回った。輸入額は120兆9550億円と最高を更新、うち原油は70.8%増、液化天然ガス(LNG)は77.6%増となり、石炭は2.4倍に膨らんだ。
 原油の輸入単価は、円換算で1キロリットル当たり59.9%上昇し、79年度以降で最高の8万7195円。22年度の為替レートは平均1ドル=135円台と、前年度の111円台から2割の円安となった。
 国・地域別の貿易収支は、対中国が6兆8142億円の赤字。対中東は、原油などの輸入額が大幅に増え、12兆9631億円の赤字だった。ロシアとは1兆2006億円の赤字。一方、米国との貿易収支は6兆6534億円の黒字だった。 

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青海コンテナ埠頭=東京都江東区
青海コンテナ埠頭=東京都江東区

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