タンク製造時に施工不良=イプシロン6号機失敗―JAXA 2023年04月18日

 打ち上げ後に姿勢を乱し、失敗したイプシロン6号機について、宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、姿勢制御装置の推進薬タンクの製造時に施工不良があり、タンク内で漏えいが起きたことが原因だと特定した。18日に開かれた文部科学省の有識者会議に報告した。
 6号機は昨年10月、第2段エンジンの姿勢制御装置(RCS)の1系統が動作せず、姿勢を乱して打ち上げに失敗。これまでの調査で、RCSの推進薬タンク内のゴム膜がタンク出口をふさいでいたことが分かった。
 タンクは金属の半球を二つ組み合わせた球形で、内部のゴム膜が液体の推進薬と加圧用の窒素ガスを仕切っている。窒素ガスの圧力で押し出された推進薬が気化して噴射される。
 その後の調査で、タンク製造時にゴム膜が正しく取り付けられていなかったことが判明。仕切りの機能が失われていたが、製造後の検査でも異常を検出できなかった。その結果、推進薬が窒素ガス側に漏れ、ゴム膜が変形してタンク出口配管をふさいだ可能性が高いことが分かった。 

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