経常赤字、2兆円迫る=資源高に円安追い打ち―1月 2023年03月08日

 財務省が8日発表した1月の経常収支は、赤字額が過去最大の1兆9766億円を記録した。資源高に加えて円安で輸入額が大きく膨らんだ一方、輸出額が伸び悩んだ。水際対策の緩和などで旅行収支は改善しつつあるが、資源価格や為替相場の動向に左右される構図は変わらず、経常収支の悪化傾向は続く可能性がある。
 輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は3兆1818億円の赤字で、こちらも単月の赤字幅としては過去最大となった。輸入額は前年同月比22.3%増の10兆45億円で、資源高に加えて円安が輸入額を押し上げた。
 米国のインフレが沈静化せず、ここにきて日米金利差の拡大が意識されて再び円売り・ドル買いが加速している。8日の東京外国為替市場の円相場は1ドル=137円台後半と昨年12月以来の安値圏に下落。輸入額の増加圧力が再び強まっている。
 これに対し、輸出額は3.4%増の6兆8227億円と伸び悩んだ。中国の春節(旧正月)休暇の時期が前年より早く、企業活動が停滞した影響が1月に大きく出たためだ。 

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