21日に年次教書演説=プーチン氏、ウクライナ侵攻後初―西側批判、バイデン氏意識も 2023年02月20日
ロシアのプーチン大統領は21日、上下両院議員を前に「年次教書演説」を行い、内政・外交の基本方針を示す。昨年から延期されていたもので、ウクライナ侵攻後では初。ペスコフ大統領報道官が19日の国営テレビに語ったところでは「特別軍事作戦(侵攻)に多くの注意が払われる」という。開始から1年を前にした演説で長期化をにらみつつ、事実上の「戦時体制」に向けて国民の協力を呼び掛ける見通しだ。
演説は21日正午(日本時間同日午後6時)からで、例年通り1時間程度と伝えられ、動員兵らへの支援拡充や戦時経済の在り方について言及があるもよう。ウクライナへの軍事支援を強める西側諸国を批判することにもなりそうだ。
同じ21日には、バイデン米大統領が訪問先のポーランドの首都ワルシャワで、侵攻開始1年を前にウクライナ情勢に関して演説予定。「(プーチン氏の演説より)はるかに重要なものになる」(ウクライナのクレバ外相)と期待する声がある。プーチン氏がバイデン氏を意識して発言することも考えられる。
前回2021年の年次教書演説当日は、獄中の反体制派指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏の釈放を求めるデモが展開され、メディアの関心を奪われた。憲法に年次教書演説は「毎年」行うと記されているが、今回は2年弱空くことになる。外国メディアの現場取材は認められていない。
演説翌日の22日には、モスクワの競技場で「コンサート」と銘打って大規模な官製集会を計画。公的部門の労働者を中心に動員されるとみられるほか、独立系メディアによると、参加者に500ルーブル(約900円)の謝礼が支払われる。昨年9月に行われたウクライナ東・南部4州「併合」の祝賀行事の参加者には3倍の金額が支給されており、侵攻中の厳しい懐事情を反映している可能性がある。