長寿効果、1日5000~7000歩で十分?=歩数と死亡リスクの関連分析―早大など 2023年02月20日

 歩くことで得られる長寿効果は、高齢者では1日5000~7000歩で頭打ちになるとの調査結果を、早稲田大の渡辺大輝助教らの研究チームが20日までにまとめた。1日1時間程度の歩行に該当するが、これが最適な長さという。研究成果は2月上旬、米科学誌の電子版に掲載された。
 研究チームは2013年、京都府亀岡市の65歳以上の男女4165人を対象に、1日の歩数と死亡リスク増減の関連を調べた。最大約4年間追跡調査し、その間に113人が亡くなった。
 その結果、5000歩未満の場合、1000歩増えると死亡リスクが23%低下した。これは、9~10カ月の寿命延長に当たるという。ただ、5000~7000歩の人ではさらに歩数が増えても効果はなかった。
 一方、心身機能が衰える「フレイル」が見られる場合、5000歩未満では歩数と死亡リスクの関連はほとんど見られなかった。5000歩を超えるとリスクが大きく減る上、7000歩を超えても歩いた分だけ減少した。調査では死因は分析しておらず、フレイルの有無で差が出た理由は分からないという。
 歩行などの身体活動は健康増進や寿命延長に役立つとされるが、日本人にとっての最適な歩数は不明だった。渡辺助教は「新型コロナウイルス流行で外出などが減った高齢者には、1日1時間程度歩くことを一つの目安にしてほしい」と話している。 

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