チョコ1粒、25円高く=バレンタインにも値上げの波 2023年02月11日

 大切な思いを伝えるバレンタインチョコレートも「値上げの波」から逃れられない状況だ。帝国データバンクが14日のバレンタインデーを前に公表した調査結果によると、ブランドチョコ1粒当たりの平均価格は390円と、前年より25円(約7%)上昇した。背景には原材料価格の高騰があり、円安の影響が大きい海外ブランドの価格上昇が目立つ。
 百貨店などで販売している国内外135ブランドの売れ筋商品を調査した。原材料別の価格上昇率はカカオ豆が20%と高く、砂糖は10%、牛乳が9%だった。チョコを包むアルミ箔(はく)や化粧箱も、価格が5~10%前後上がった。
 帝国データの担当者は「値頃感を維持するためにチョコの個数を減らすケースがある」と指摘する。コストを少しでも減らすために製造ロスが出やすいハート形や丸形をやめ、「四角形に改める動きも広がっている」という。
 バレンタインに対する意識も昔とは様変わり。調査会社インテージ(東京)が先月実施したアンケートによると、「義理チョコ」を用意する女性は全体の8.2%にとどまった。職場で義理チョコを渡したくないと回答した女性は8割を超え、男性も「(もらっても)うれしくない」が6割を超えた。
 背景について同社は、コロナ禍による影響があると分析する。リモートワークの普及などで職場の人間関係が希薄になったとも言われ、こうした変化が義理チョコ離れを招いた可能性がありそうだ。また、物価高を理由に購入を控えるとの回答もあった。 

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