物価高倒産、11月は46件=5カ月連続で最多―信用調査会社 2022年12月08日

 民間信用調査会社の帝国データバンクは8日、物価高で倒産した企業は11月に46件となり、過去最多を5カ月連続で更新したと発表した。資材や燃料の価格高騰が業績悪化に苦しむ中小・零細企業に追い打ちを掛けた。「価格に転嫁できない企業が倒産しており、今後さらに増加する可能性がある」という。
 帝国データは、原材料の仕入れ価格上昇や価格転嫁できない値上げ難などによる倒産を「物価高倒産」と定義し、独自に集計している。11月の物価高倒産の業種別内訳では、建設業、製造業と卸売業が多く、食品価格高騰の影響を受けた飲食料品小売業も目立った。
 東京商工リサーチが8日公表した11月の企業倒産件数(負債1000万円以上)は581件で、前年同月から71件増加した。8カ月連続で前年を上回った。負債総額は前年同月比22.8%増の1155億8900万円。
 ブランド卵「森のたまご」で知られるイセ食品のグループ企業の倒産が総額を押し上げた。商工リサーチは「原材料価格の高騰に耐え切れない企業の息切れ倒産が今後増えそうだ」とみている。 

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