食品値上げ4425品=年明け以降、冷凍品など続々 2022年12月01日

 来年春にかけて、食品の値上げが再加速しそうだ。帝国データバンクによると、12月の値上げは月別で今年最少となる見込みだが、年明け以降も価格上昇は続き、4月までに冷凍食品や菓子など4425品目が引き上げられる予定。原材料価格の高騰や円安進行が背景にあり、家計をさらに圧迫する見通しだ。
 帝国データが11月末時点でまとめた主要食品105社の調査によると、12月の値上げは175品目。1日はDM三井製糖が「スプーン印」の上白糖(1キログラム)を値上げし、店頭の想定価格は216円程度から223~227円程度となる。ネスレ日本は「ネスカフェ」のボトルコーヒー(900ミリリットル)の希望小売価格を163円から185円に引き上げる。
 食品価格の高騰などを受け、外食でも「カレーハウスCoCo壱番屋」が1日に値上げ。「天丼てんや」も22日の価格引き上げを公表している。
 食品値上げは今年、10月が最も多く、安価なプライベートブランド(PB)を巻き込んで店頭価格が急上昇。全国スーパーマーケット協会は「消費者は逃げ場をふさがれ、値上げを受け止めざるを得なくなった」と分析する。
 来年は2月に3269品目が値上がりし、今年1月以降で2番目の多さとなる見通し。帝国データは、値上げのペースは今年を上回ると指摘。パンなども価格が上昇するとみており、春先の品目数はさらに拡大しそうだ。
 野村総合研究所の調査によると、値上げに負担を感じている消費者は10月末時点で85.3%に上る。帝国データの担当者は「来年の値上げは今年より上げ幅も大きい。消費者が負担の重みを改めて実感する年になるだろう」と話した。 

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