企業倒産件数、3年ぶり増=4~9月、「物価高」理由は2倍―信用調査会社 2022年10月11日

 2022年度上半期(4~9月)の企業倒産件数が上半期として3年ぶりに増えたことが11日、民間信用調査会社の集計で分かった。また、物価高が理由とみられる倒産件数は前年同期の約2倍となり、コロナ禍で経営体力を消耗した企業が円安下で物価高に苦しむ姿が浮き彫りになった。
 東京商工リサーチが11日発表した上半期の企業倒産件数(負債1000万円以上)は、前年同期比6.9%増の3141件となった。このうちコロナの影響とみられる件数は36.3%増の1121件。政府の資金繰り支援策の効果が薄れてきているためという。
 倒産件数は10産業中7産業で増え、コロナの影響を大きく受けた宿泊などサービス業は1033件と、2年ぶりに前年同期(986件)を上回った。
 負債総額は前年同期の約3倍となる1兆7420億8500万円。6月に破綻した自動車部品大手、マレリホールディングス(旧カルソニックカンセイ)の1兆円を超す巨額負債が響いた。
 一方、帝国データバンクが11日発表した上半期の「物価高倒産」件数は159件となった。前年同期(75件)から倍増し、調査を始めた18年以降で最多。原油、原材料などの仕入れ価格上昇や、製品価格への転嫁が困難なことなどで倒産した企業を独自に集計した。
 コロナ関連融資の返済に、物価高による収益悪化が重なる懸念があり、帝国データは「年末にかけて、物価高倒産はさらに増加していく可能性がある」と指摘している。 

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