メガバンク、ネット証券と連携強化=若年層取り込み、みずほは楽天証へ出資 2022年10月07日

 メガバンクグループがインターネット証券との連携を強化している。若い顧客を取り込んで収益を拡大するとともに、デジタル金融サービスを推進するのが狙いだ。ネット金融や電子商取引分野など「デジタル経済圏」での優位性確保へ、グループ間競争は一段と激しくなりそうだ。
 みずほフィナンシャルグループは7日、傘下のみずほ証券を通じて楽天証券に約20%を出資すると発表した。三井住友フィナンシャルグループは7月、ネット証券最大手SBI証券の親会社SBIホールディングスへ約10%出資した。三菱UFJフィナンシャル・グループはauカブコム証券を傘下に持つ。3メガバンクは、幼少期からネット社会で育ってきたデジタル世代と呼ばれる20~30代をターゲットに金融商品やサービスの強化を進める。
 3メガバンクはともに証券子会社を抱えるが、顧客は富裕層や法人が中心だ。みずほは、ネット通販や決済サービスなど楽天グループが持つ巨大なデジタル経済圏との相乗効果も見込む。
 ネット証券側も、豊富な金融商品や強固な顧客基盤を持つメガバンクと連携する意義は大きいとみる。ただ、高齢者から若い世代への資産移転には時間がかかり、ネット証券分野での相乗効果は「かなり長期的な話になる」(業界関係者)との見方も出ている。 

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