「化石燃料拡散防止条約」制定を=国連総会で気候対策訴え―バヌアツ 2022年09月24日

 【ニューヨーク時事】「時間切れだ。今こそ行動が必要だ」。温暖化による海面上昇などの脅威にさらされている南太平洋の島国バヌアツのブロバラブ大統領は23日、国連総会の一般討論演説で、核をめぐる法的枠組み「核拡散防止条約(NPT)」になぞらえ、気候変動対策を定める「化石燃料拡散防止条約」の制定を各国に呼び掛けた。
 同条約は、石油や石炭など化石燃料の生産を段階的に減らし、世界の平均気温の上昇を1.5度に抑えることを目指す。これまでにロンドンやパリなど世界65以上の都市や地方政府、世界保健機関(WHO)などが賛意を示しており、国家として推進を宣言したのはバヌアツが初めて。
 大統領は「若者たちは、私たちが彼らに手渡そうとしている化石燃料への依存を拡大した未来の世界に恐怖を感じている」と主張。「誰も異常気象から逃れられない」と警鐘を鳴らした。 

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23日、ニューヨークの国連本部で演説するバヌアツのブロバラブ大統領(AFP時事)
23日、ニューヨークの国連本部で演説するバヌアツのブロバラブ大統領(AFP時事)

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