対SBI防衛策、株主判断へ=新生銀、25日に臨時総会―敵対TOB、最大のヤマ場 2021年11月22日

 インターネット金融大手SBIホールディングスによる敵対的TOB(株式公開買い付け)に対し、新生銀行が25日に臨時株主総会を開き、買収防衛策発動の是非を諮る。総会での株主判断は、なお「予断を許さない状況」(SBI関係者)。SBIは買収防衛策が可決されればTOBを撤回する意向を表明しており、国内銀行に対する初の敵対的TOBは、最大のヤマ場を迎える。
 SBIが突如、TOB開始を表明したのは9月9日。新生銀株式の保有比率を現状の約20%から最大48%に引き上げて連結子会社化する方針を打ち出した。買い付け価格は1株2000円と、直前の株価1400円台を大きく上回る水準。新生銀の業績低迷や、約3500億円の公的資金が未返済であることを指摘し、現経営陣を厳しく批判した。
 これに対し新生銀は、SBIが半数未満の株式取得で実質的な経営権を握ろうとしている点を問題視。少数株主の利益を保護するとして、新株予約権を活用した買収防衛策「ポイズンピル(毒薬条項)」発動の是非を臨時総会で問う方針を決めた。
 一方で新生銀は、SBIが買い付け上限撤廃と買い付け価格引き上げに応じれば、賛同に転じるとの条件も提示した。だがSBIは「株主利益は十分確保されると確信している」として、回答期限の今月19日までに新生銀の条件を拒否。決着は株主判断に委ねられた。
 防衛策の発動には、事前の議決権行使を含めた出席株主の過半数の賛成が必要。総会に向けては、大手の米議決権行使助言会社2社が買収防衛策への賛成を推奨しており、機関投資家の判断に影響も与えそうだ。一方、子会社の整理回収機構と合わせて2割超の新生銀株を保有する預金保険機構は賛否を表明しておらず、その動向が鍵を握ることになる。 

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