貿易赤字、3カ月連続=674億円、原油高で輸入増―10月 2021年11月17日

 財務省が17日発表した10月の貿易統計速報(通関ベース)によると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は674億円の赤字となった。赤字は3カ月連続。自動車の輸出が大幅に減少したほか、原油価格の高騰や円安進行により、原油輸入額が前年同月に比べて8割増えたことなどが響いた。
 輸出額は9.4%増の7兆1840億円。鉄鋼の好調などを背景に、アジア向けの輸出額は比較可能な1979年以来で最高となった。一方、自動車は新型コロナウイルスの影響で東南アジアからの部品調達が滞ったことなどによる減産の影響で米国、中国向けをはじめ全体的に落ち込み、36.7%減と振るわなかった。輸出全体では8カ月連続のプラスを確保したが、伸び率は鈍化した。
 輸入額は26.7%増の7兆2514億円で9カ月連続のプラスだった。原油は輸入量が3カ月ぶりに減ったものの、価格高騰で金額は7カ月連続の増加。石炭は2.3倍、液化天然ガス(LNG)が67.6%増と、資源関連が大きく押し上げた。肉類など食料品も10.9%増えた。 

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