7~9月期GDP、年3.0%減=「第5波」、半導体不足が響く―2期ぶりマイナス 2021年11月15日

 内閣府が15日発表した2021年7~9月期の国内総生産(GDP、季節調整済み)速報値は、物価変動の影響を除いた実質で前期比0.8%減、この成長が1年続いた場合の年率換算で3.0%減だった。マイナス成長は2四半期ぶり。新型コロナウイルスの「第5波」で緊急事態宣言が発令されたほか、世界的な半導体不足などで自動車生産が停滞したことが響き、消費や輸出など主な需要項目が総崩れの様相を呈した。
 速報値の結果は、民間シンクタンク12社の事前予想の平均値(年率0.8%減)を下回った。回復の足取りは鈍く、年内にGDPをコロナ前の19年10~12月期の水準に戻すとの政府目標の達成は厳しさが増している。10月以降は国内で新規感染者数の減少が続く一方、原油などの資源価格が高騰しており、景気への悪影響が懸念されている。
 経団連の十倉雅和会長は15日、記者団の取材に応じ、「サービス業(の需要)は行動規制が緩んで、これから増えていく」と指摘。ただ、「国際経済は供給不足で少し弱くなってきている」とも語り、先行きに警戒感を示した。
 山際大志郎経済財政担当相は記者会見で「下振れリスクへの対応に万全を期し、経済の底割れを断固として防ぐ」と述べ、新たな経済対策の取りまとめを急ぐ姿勢を強調した。 

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記者会見する山際大志郎経済財政担当相=15日午前、東京都千代田区
記者会見する山際大志郎経済財政担当相=15日午前、東京都千代田区

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