H2Oとの統合、僅差で承認=オーケーは買収断念―関西スーパー争奪戦が決着 2021年10月29日

 近畿圏を地盤とする関西スーパーマーケットの臨時株主総会が29日、兵庫県伊丹市で開かれ、筆頭株主エイチ・ツー・オー(H2O)リテイリングとの経営統合が承認された。関西スーパー買収を目指していた第3位株主のオーケー(横浜市)が反対したものの、統合に賛成した株主の割合が66.68%と、可決に必要な「3分の2以上」をわずかに上回った。オーケーは買収を断念し、関西スーパーをめぐる争奪戦が決着した。
 今後、関西スーパーはイズミヤ(大阪市)などH2O傘下スーパーを含む3社を統括する中間持ち株会社「関西フードマーケット」となり、店舗運営を効率化しながら収益力強化を目指す。総会終了後、福谷耕治関西スーパー社長は「経営統合がゴールではなく、スタートだ」と決意を新たにした。関西フード社長に就任する林克弘H2O副社長は「誠心誠意、企業価値を高める努力をしていきたい」と抱負を述べた。
 ディスカウントスーパーを首都圏で展開するオーケーは関西進出を狙い、臨時総会で統合案を否決に追い込んだ上でTOB(株式公開買い付け)によって関西スーパーを買収する方針を表明していた。終了後、買収提案を取り下げると発表。二宮涼太郎オーケー社長は記者団に対し、「ぎりぎりだったので悔しい思いもあるが、受け入れたい」と敗戦の弁を述べた。一方で「関西のお客さまにもオーケーで買い物してもらえるように頑張りたい」とも語り、関西進出への意欲を示した。 

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臨時株主総会を終え、記者の質問に答える関西スーパーマーケットの福谷耕治社長=29日午後、兵庫県伊丹市
臨時株主総会を終え、記者の質問に答える関西スーパーマーケットの福谷耕治社長=29日午後、兵庫県伊丹市
関西スーパーマーケットの臨時株主総会後、取材に応じるエイチ・ツー・オー(H2O)リテイリングの林克弘副社長=29日午後、兵庫県伊丹市
関西スーパーマーケットの臨時株主総会後、取材に応じるエイチ・ツー・オー(H2O)リテイリングの林克弘副社長=29日午後、兵庫県伊丹市
関西スーパーマーケット臨時株主総会を終え、記者の質問に答えるオーケーの二宮涼太郎社長=29日午後、兵庫県伊丹市
関西スーパーマーケット臨時株主総会を終え、記者の質問に答えるオーケーの二宮涼太郎社長=29日午後、兵庫県伊丹市

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