景況感、5期連続で改善=製造業、先行きは悪化懸念―コロナ禍なお重荷・日銀短観 2021年10月01日

 日銀が1日発表した9月の全国企業短期経済観測調査(短観)によると、企業の景況感を示す業況判断指数(DI)は大企業製造業でプラス18に上昇し、5四半期連続で改善した。ただ、自動車の減産の影響が広がるとの懸念から、先行きの予想は悪化。宿泊や飲食などサービス業には新型コロナウイルス禍がなお重くのしかかっており、景況感の回復は鈍化している。
 DIは業況が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」を引いて算出する。
 大企業製造業のDIは4ポイント上昇したが、9ポイント上昇した前回調査から改善ペースは鈍化した。半導体不足や、東南アジアでのコロナ感染拡大に伴う部品の調達難により自動車が10ポイント低下のマイナス7に落ち込んだ影響が大きく、先行きはプラス14と4ポイント低下する見込み。自動車の減産が部品を供給する鉄鋼や化学など幅広い業種の見通しを押し下げる格好となった。 

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