SBI、19年に公的資金返済案=提携拒否の一因―新生銀 2021年09月16日

 新生銀行は16日、インターネット金融大手SBIホールディングスが2019年、同行に資本業務提携を提案した際に公的資金の返済策を示していたことを明らかにした。同行は当時、返済策についてSBIと新生銀株の約2割を保有する国、一般株主に対する公平性を確保する観点から「実現不可能」と判断。SBIの提携案を断る要因になったと説明している。
 新生銀によると、SBIが提示した公的資金返済策は、SBIが新生銀株を最大48%まで取得した後、新生銀が市場価格で一般株主から株式を取得。SBIと国の議決権比率が合計9割となったところで、残る少数株主の株式を強制的に買い取った上で、国の保有株を公的資金の返済に必要な価格で買い戻すというもの。
 公的資金返済に必要な株価は、市場価格を大幅に上回る1株7500円程度とされる。新生銀関係者は「後から高い価格で国の保有株を買い取ることを想定しているのであれば、株主平等原則の観点から株主に最後までのプランを示す必要がある」と指摘。ただ、その場合は国に比べて圧倒的に安く売ることになる一般株主が、買い取りに応じない可能性が高くなり、実現は難しいと判断したという。 

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