空き地活用、税制で支援=「ランドバンク」普及拡大―国交省 2021年09月06日

 国土交通省は、活用されていない空き地などの取引を仲介する地域の法人「ランドバンク」の取り組みを普及させるため、税制上の支援に乗り出す。ランドバンクが土地や建物を購入する際にかかる不動産取得税を軽減するといった特例措置の創設を、2022年度税制改正要望に盛り込んだ。土地の流通を活性化させ、空き地が放置されて所有者が分からなくなるような事態を未然に防ぐ狙いだ。
 ランドバンクは、主に自治体や地域の自治会、宅建業者、行政書士や司法書士などで構成される組織。管理不全で空き地になっている土地を、所有者に提案して登録してもらったり、草木の伐採や建物の除去など適切に管理した上で、希望者に情報提供したりするなど取引をマッチングする役割を担う。
 既に山形県鶴岡市や兵庫県尼崎市などで先進的な取り組みが行われているが、国土交通省はこうした活動を全国に拡大するため、所有者不明の土地に関する特別措置法の改正案を来年の通常国会に提出する方針。ランドバンクの位置付けを法的に明確にし、自治体の指定を受けたランドバンクが税制優遇を受けられるようにする。
 具体的には、ランドバンクが土地所有者から一時的に購入する土地や建物にかかる不動産取得税を5分の4に軽減。また、活用希望者がランドバンクから土地を購入する際、所有権の移転登記に伴い希望者が支払う登録免許税を半額に引き下げる。いずれも24年度までの時限措置として求めた。 

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