21年上期経常黒字、50.3%増=輸出回復がけん引―財務省 2021年08月10日

 財務省が10日発表した2021年上半期(1~6月)の国際収支速報によると、海外とのモノやサービスの取引、投資収益の状況を示す経常収支は、前年同期比50.3%増の10兆4675億円の黒字となった。新型コロナウイルス感染拡大で落ち込んだ輸出の回復がけん引した。
 貿易収支は2兆3143億円の黒字(前年同期は9735億円の赤字)。米国向けを中心に自動車や自動車部品などの輸出が伸び、輸出額は22.2%増加した。
 企業が海外から受け取る配当金の収入などを示す第1次所得収支は6.6%増の11兆4406億円。比較可能な1985年以降、過去最大となった。海外経済の堅調を背景に、企業の直接投資収益が拡大した。
 旅行や輸送などの取引の収支を示すサービス収支は2兆909億円の赤字(同1兆9441億円の赤字)。コロナ禍で訪日外国人旅行者が大幅に落ち込んだことが響いた。
 同時に発表された6月の経常収支は前年同月比6.1倍の9051億円の黒字だった。貿易収支が6485億円の黒字(前年同月は172億円の赤字)に転換したことが貢献した。 

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