米大統領、キューバの反政府デモ支持=政策再転換は明言せず 2021年07月13日

 【ワシントン時事】バイデン米大統領は12日、キューバで起きた反政府デモについて「米国は(言論の自由という)普遍的権利を行使するキューバ国民を断固支持する」と表明した。キューバ政府に対し、デモを封じ込めるために暴力を用いないよう要求した。ホワイトハウスで記者団に語った。
 これに先立ちバイデン氏は声明で、デモが「自由を求め(新型コロナウイルスの)パンデミック(世界的大流行)や長年にわたる強権体制がもたらした抑圧と経済苦境からの救済を求めるキューバ国民の声」だと強調。そうした声に耳を傾けるようキューバ政府に求めた。
 キューバのディアスカネル大統領は12日の演説で、米政府が「キューバの社会不安を引き起こすため経済的に窒息させる政策」を追求していると非難した。これに対し、ブリンケン米国務長官は、今回のデモが「米国が実行したことの結果だとキューバ政府が解釈したとすれば、大間違いだ」と反論。「経済失政や新型コロナへの不適切な対応に、キューバ国民はうんざりしている」と主張した。
 米キューバ関係は、オバマ政権時代に正常化が進んだが、トランプ前大統領は制裁強化にかじを切った。バイデン氏は12日、キューバ政策を再転換するかどうかに関し「そのうち話す」と述べるにとどめ、明言を避けた。 

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12日、ホワイトハウスで会議に臨むバイデン米大統領(右)(AFP時事)
12日、ホワイトハウスで会議に臨むバイデン米大統領(右)(AFP時事)
異例のキューバ反政府デモが行われた現場で、拘束される報道カメラマン=11日、ハバナ(AFP時事)
異例のキューバ反政府デモが行われた現場で、拘束される報道カメラマン=11日、ハバナ(AFP時事)
異例の反政府デモの後、通りで横転させられたままの警察車両=11日、ハバナ(AFP時事)
異例の反政府デモの後、通りで横転させられたままの警察車両=11日、ハバナ(AFP時事)

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