米中ロ、北極圏で競争過熱=平和維持を再確認―閣僚級会合 2021年05月20日

 【ワシントン時事】米国やロシアなど8カ国で構成される北極評議会の閣僚級会合が20日、アイスランドの首都レイキャビクで開かれた。北極圏進出に野心をのぞかせる中国の参加で新航路や資源をめぐる競争が過熱する中、加盟国は北極圏の平和維持を再確認。持続可能な開発や地球温暖化対策でも一致し、協調路線を堅持する姿勢を打ち出した。
 2年に1度開かれる閣僚級会合にはブリンケン米国務長官、ラブロフ・ロシア外相らが出席した。共同宣言では「北極圏における平和と安定、建設的な協力を維持する」と明記。設立25年を迎えた北極評議会の今後10年の活動方針を定めた戦略計画も採択した。
 ラブロフ外相は会合後の記者会見で、米国や北大西洋条約機構(NATO)が北極圏で軍事プレゼンスを拡大していると懸念を示し、北極評議会でも軍事関連の議題を取り上げるべきだと主張した。一方、議長国を務めたアイスランドのトールダルソン外相は「軍事問題を扱わないという評議会設立当初の決断は賢明で、それを維持するべきだ」と異論を唱えた。
 北極評議会の議長国は2年交代の輪番制。ロシアは今回の会合後、2023年まで議長国を務める。 

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19日、アイスランドの首都レイキャビクで、会談するブリンケン米国務長官(左)とロシアのラブロフ外相(AFP時事)
19日、アイスランドの首都レイキャビクで、会談するブリンケン米国務長官(左)とロシアのラブロフ外相(AFP時事)

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