韓国大統領、訪米へ離日=トランプ氏初会談に不安も 2025年08月24日 18時43分

韓国の李在明大統領は24日、就任後初の米国訪問に向けて東京の羽田空港から専用機で出発した。25日にワシントンでトランプ米大統領と初めて会談する。農畜産物市場の開放や防衛費の負担増といった韓国側にとって厳しい要求を突き付けられる可能性があり、不安も漂う。李氏は23日の石破茂首相との会談で、トランプ氏との対面に関して助言を受けた。
李氏は訪米を前に「韓国経済の未来を左右する非常に重要な分岐点であり、最善の結果を出すために努力する」と表明した。通商関係の安定化に向け、7月の関税合意を巡る両国の認識の差異をどこまで埋められるかが焦点。韓国財閥トップも同行し、米国への大型投資を通じてトランプ氏が国内向けに成果を演出できるよう協力する見通しだ。
安全保障面では、北朝鮮とロシアの軍事協力や米中対立を踏まえた米韓同盟の「現代化」、北朝鮮の非核化が議題となる。米国は在韓米軍の役割を中国抑止にも広げたい方針だが、対中関係改善を目指す李政権にとっては外交的な負担となりそうだ。また、李氏は北朝鮮との対話再開を目指しており、トランプ氏が意欲を示す金正恩朝鮮労働党総書記との会談実現に関与したい考えだ。
トランプ氏との会談にはさらなる懸念も浮上している。李氏の外遊に先立ち、韓国の趙顕外相が急きょ訪米し、ルビオ米国務長官と会談。調整が難しい議題が持ち上がった可能性がある。