米のロシア傾斜阻止へ結束=ウクライナ即時停戦と安全保証訴え―欧州首脳 2025年08月19日 14時11分

トランプ米大統領と会談する欧州各国首脳。右から2人目はウクライナのゼレンスキー大統領(ホワイトハウスのXアカウントより)
トランプ米大統領と会談する欧州各国首脳。右から2人目はウクライナのゼレンスキー大統領(ホワイトハウスのXアカウントより)

 【ブリュッセル時事】米ワシントンで18日に開かれたトランプ大統領とウクライナのゼレンスキー大統領の会談には、欧州の首脳ら7人も同席した。ロシアとの和平合意を急ぐトランプ氏に対し、即時停戦の実現やウクライナの「安全の保証」の必要性を強調。ゼレンスキー氏を援護射撃するとともに、結束して米国がロシア寄りに傾くのを阻止する姿勢を鮮明にした。
 欧州首脳の参加は、ゼレンスキー氏の要請とされる。同氏は2月末、ホワイトハウスでの会談に単独で臨んだが、トランプ氏やバンス副大統領と激しく対立。協議が物別れに終わった経緯があり、同じ轍(てつ)を踏まぬよう備えた形だ。
 ウクライナをロシアの脅威に対する「防波堤」と位置付ける欧州側の危機感も強かった。15日の米ロ首脳会談の後、トランプ氏はロシアのプーチン大統領の主張に沿い、停戦を前提とせずに和平合意を進める姿勢に転換。このままでは、ロシアが有利な条件を引き出すために攻勢を強める事態を招きかねないとの懸念が広がっていた。
 「停戦なしに次の会談が行われるとは想像できない」。ドイツのメルツ首相はこう強調。フランスのマクロン大統領も「(米ロ・ウクライナ)3者会談を計画するためには停戦、あるいは少なくとも殺りくを止めることが必要だ」と述べ、トランプ氏にくぎを刺した。
 独仏英伊首脳らと共に会談に加わったフィンランドのストゥブ大統領は「われわれは小国かもしれないが、ロシアと800マイル(約1300キロ)にわたり国境を接している」と参加理由を説明。第2次大戦で旧ソ連に領土を奪われた歴史を振り返り、ウクライナの安全を保証する枠組みがつくられなければ、自国が次の標的になりかねないと警戒感を示した。 

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