トランプ氏、プーチン氏とアラスカで会談へ=15日にロシア侵攻の停戦協議―ウクライナ、譲歩迫られる恐れ 2025年08月09日 07時15分

ロシアのプーチン大統領(左)、トランプ米大統領(AFP時事)
ロシアのプーチン大統領(左)、トランプ米大統領(AFP時事)

 【ワシントン時事】トランプ米大統領は8日、ロシアのプーチン大統領と米アラスカ州で15日に対面で会談するとSNSで明らかにした。ロシアが侵略を続けるウクライナでの停戦をプーチン氏に求める考えで、2022年2月に始まった侵攻は重大局面を迎える。
 米ロ首脳の対面会談はバイデン前米政権下の21年6月以来で、ウクライナ侵攻後は初めて。トランプ氏は停戦に応じないプーチン氏への不満を募らせ、圧力を強める構えを示していたが、対話路線へと再びかじを切った。海を隔ててロシアと国境を接するアラスカで2期目就任後初のプーチン氏との直接会談に臨み、外交的成果を狙う。プーチン氏の訪米は約10年ぶりとなる。
 トランプ氏は8日、ホワイトハウスで記者団に「間もなくプーチン大統領と会うつもりだ」と表明。侵攻を通じロシアが占領したウクライナ領に関し、「一部返還と交換を検討している」と語った。
 ウクライナのゼレンスキー大統領は9日、「占領者(ロシア)に領土は渡さない」と強調し、原則的立場で譲らない考えを改めて示した。
 ウォール・ストリート・ジャーナル紙(WSJ、電子版)はこれより先、プーチン氏がウィトコフ米中東担当特使と6日に行った会談で、停戦条件としてウクライナ東部ドンバス地方からの同国軍撤退を求めたと報じた。ロシアがドンバス地方を支配する構想だという。
 WSJはロシア提案について「領土を巡る大幅な譲歩」をウクライナに強いる内容で、同国が米欧に求めてきた「安全の保証」にも直接触れていないと指摘。ウクライナが困難な選択を迫られる恐れもあり、トランプ氏は「決して簡単なことではない。非常に複雑だ」と説明した。 

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