トランプ氏、対ロ制裁強化を判断へ=プーチン氏の出方見極め 2025年08月08日 14時11分

【ワシントン時事】トランプ米大統領は8日、ウクライナ侵攻を続けるロシアに対し、新たに制裁を科すかどうか判断する見通しだ。だが、米ロ間では首脳会談の可能性が浮上。ロシアのプーチン大統領との対話路線に再び傾きつつあり、制裁に踏み切るかは不透明な状況だ。
トランプ氏は7日、ホワイトハウスで記者団に対し、「彼が何と言うか見てみよう」と述べ、停戦に応じないプーチン氏の出方を見極め、制裁発動を判断する考えを表明した。実施すれば、対ロ制裁は第2次トランプ政権発足以降初めてだ。
トランプ政権は8日を期限とし、ロシアと貿易や金融取引を続ける第三国の個人や団体に対して「2次制裁」を科す構えを見せる。制裁対象は不明だが、ロシア産原油を輸送する「影の船団」と呼ばれる船舶への締め付けを強化する方向で検討していると伝えられている。
ロシアは欧米主導の制裁をかいくぐり、ロシア産原油を密輸して、継戦能力を維持する収入源としている。トランプ氏は6日、「2次関税」と称し、ロシア産原油の購入を続けるインドに25%の追加関税を課す大統領令に署名。ロシアへの圧力を強めていた。
一方で、トランプ氏側近のウィトコフ中東担当特使は6日、モスクワでプーチン氏と会談。その後、トランプ、プーチン両氏はいずれも首脳会談を行うことに意欲を示した。トランプ氏は「殺し合いを止めるために何でもする」と語り、停戦実現に向けたトップ会談に前向きな姿勢を強調している。