台湾、最大規模の軍事演習開始=中国の侵攻想定、10日間に倍増 2025年07月09日 17時31分

9日、台湾北部・桃園市で軍事訓練を受ける予備役(ロイター時事)
9日、台湾北部・桃園市で軍事訓練を受ける予備役(ロイター時事)

 【台北時事】台湾軍は9日、中国の武力侵攻に備える定例軍事演習「漢光」を18日までの日程で開始した。台湾有事への警戒感が高まる中、期間を昨年の5日間から過去最長の10日間に倍増させるなど、演習を前例のない規模に拡大。民間人の防空訓練も並行して実施する。
 9日は中国の民兵船や海警船などによる武力衝突に至らない「グレーゾーン」のかく乱行為に対処する演習を初めて展開。このほか、招集された予備役が北部・桃園市で訓練を受けた。
 期間中は台湾全土の陸海空軍兵士のほか、過去最多となる約2万2000人の予備役を動員。実戦に近い形で日夜訓練し、海岸や市街地などでの防衛能力を検証する。
 台湾軍は比較的安く機動的な武器を大量配備する「非対称戦」を重視している。演習でもロシアの侵攻下にあるウクライナの軍が実戦で活用している高機動ロケット砲システム「ハイマース」やドローンを使う。
 中国国防省報道官は8日、台湾軍の演習に対し「どんな武器を使っても、人民解放軍には抵抗できない」とけん制。台湾国防部(国防省)によれば、中国の軍用機延べ31機や艦船7隻が9日朝までの24時間に台湾海峡周辺で活動し、うち延べ24機が事実上の停戦ラインである中間線を越えるなどして台湾側に接近した。 

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