反米同調国へ10%追加関税=BRICS首脳会議に対抗か―トランプ氏 2025年07月07日 18時52分

【ワシントン、北京時事】トランプ米大統領は6日、中国やロシアなどの新興国グループ「BRICS」に同調する国に対し、10%の関税を上乗せすると表明した。BRICSは首脳会議で高関税を非難する宣言を採択したばかり。トランプ氏は中国やロシアと近い国に威圧を強め、対抗姿勢を示した形だ。
トランプ氏はSNSに「BRICSの反米政策に同調する国」に関税を上乗せすると投稿。「例外はない」と指摘し、中国やロシアに擦り寄る国への強硬姿勢を見せつけた。
BRICSは6日から、ブラジル・リオデジャネイロで首脳会議を開いている。採択された宣言では、トランプ氏の名指しは避けつつ「見境のない関税引き上げや保護主義は国際貿易の縮小を招く」などと主張。「貿易をゆがめる一方的な関税の引き上げに深刻な懸念を表明する」と強調した。
中国やロシアはBRICSを米国など西側諸国への対抗軸と位置付ける。イランやインドネシアが加盟するなど勢力は拡大。南米や東南アジアなど、新興・途上国の「グローバルサウス」への支援を打ち出し、関係強化も図っている。
トランプ氏はこれまで、BRICSが米ドル離れに動けば「100%の関税を課す」と主張してきた。BRICSでは、貿易決済などでのドル依存からの脱却を念頭に置いた共通通貨構想が取り沙汰されている。
中国外務省の毛寧報道局長は7日の記者会見で、BRICSについて「チームを組んで(米国などに)対抗する枠組みではない」と主張。追加関税は「誰の利益にもならない」と方針の撤回を呼び掛けた。