ガザ停戦交渉、初日は結論出ず=イスラエルとの隔たり残る 2025年07月07日 19時44分
【カイロ時事】パレスチナ自治区ガザの停戦を巡るイスラエルとイスラム組織ハマスの間接交渉が6日、仲介国カタールの首都ドーハで再開した。米国が提示した60日間の停戦案について協議したもようだが、ロイター通信は7日、パレスチナ関係筋の話として、初日は結論が出ないまま終了したと報じた。交渉は7日も続く予定。
トランプ米大統領は6日、イスラエルとハマスが「今週合意する可能性は十分ある」と楽観的な見通しを示した。だが、イスラエルは既に米国案に同意したものの、ハマスとの主張の隔たりは大きいとみられる。ロイターによると、パレスチナ関係筋は「イスラエル代表団は、ハマスと合意する十分な権限を与えられていない」と述べた。
7日にワシントンでトランプ氏と会談する予定のイスラエルのネタニヤフ首相は出発前、自国の代表団が「イスラエルが同意した条件で停戦合意を達成するよう、明確な指示」を受けていると説明。その上で、トランプ氏との会談が交渉を「前進させる助けになる可能性があり、われわれ全員がそれを望んでいる」と語った。
トランプ氏はハマスにも米国案の受け入れを迫っている。ハマスは4日、「前向きな回答」を行ったと表明したが、イスラエルが戦闘を再開しない保証など、一部修正を求めたとも報じられた。これに関しイスラエル政府は「修正は受け入れられない」と批判した。
AFP通信によると、パレスチナ当局者は6日、ハマスがイスラエル軍のガザ撤退など従来の要求に加えて、イスラエルが掌握しているガザ最南部ラファの検問所について、負傷者移送のため開放するよう新たに求めたと説明した。ハマスが停戦案への修正要求を拡大させている可能性もある。
一方、英BBC放送は、ハマス治安部隊幹部の話として、ガザの約8割の地域でハマスが統制力を失ったと伝えた。武装した部族などが台頭し、治安は崩壊状態にあるという。