イラン、対米報復必至=基地攻撃やNPT脱退、ホルムズ封鎖も 2025年06月22日 18時43分
【イスタンブール時事】米国の核施設攻撃を受け、イランは近く対米報復などに乗り出すとみられる。中東各地の米軍基地や在外公館への攻撃、ペルシャ湾の要衝ホルムズ海峡の封鎖、核拡散防止条約(NPT)脱退などが取り沙汰される。
米紙ニューヨーク・タイムズは、イランが米軍基地を狙ったミサイルを準備中と報道。中東には米兵約4万人が駐留し、隣国イラクの基地が最初の標的となる可能性が高いという。
イランは2020年1月、革命防衛隊のソレイマニ司令官が米軍の空爆で殺害された際、イラクの米軍基地2カ所を報復攻撃した。13日以降のイスラエルとの交戦で大きな打撃を受けたが、革命防衛隊は22日の声明で「(われわれは)計算を超える選択肢を行使する。侵略者は後悔するだろう」と報復を宣言した。
外交上の対抗措置としては、NPT脱退も現実味を帯びる。イラン保守系メディアは、03年にNPT脱退を表明し、核・ミサイル開発を進めた北朝鮮を例に「核武装した国への攻撃コストは極めて高くなる」として、脱退による「抑止力強化」を主張した。国会が既に法案準備中とも伝えられる。
世界の原油消費量の約2割分が通過するホルムズ海峡で、航行妨害や封鎖を試みる恐れもある。実施されれば、日本を含む世界各地へのエネルギー供給に影響が出るのは確実だ。
中東メディアによると、イラクの親イラン勢力は米軍参戦に共に反撃する計画を策定したとされる。紅海周辺で船舶襲撃を繰り返したイエメンの親イラン武装組織フーシ派は「(パレスチナ自治区)ガザとイランは同じ戦闘だ」と指摘。米関連船舶への攻撃強化を警告している。