米、核施設空爆=トランプ氏「成功」強調―イラン報復の構え、中東緊迫 2025年06月22日 09時00分

【ワシントン、イスタンブール、カイロ時事】トランプ米大統領は21日、イスラエルと交戦するイランを攻撃したと発表した。中部フォルドゥなどにある3カ所の核施設が標的となった。イランは攻撃後も核開発継続の意向を示し、中東地域の米軍基地などに報復攻撃を行う構えだ。イスラエルの対イラン先制攻撃に端を発した中東情勢は、一段と緊迫の度合いを増している。
トランプ氏は攻撃後ホワイトハウスで演説し、「イランの主要な核濃縮施設は完全に破壊された」と強調し、イランに和平協議に応じるよう要求。SNSでは「大きな成功を収めた」と述べる一方、米国が報復攻撃を受ければ「強大な力で迎え撃つ」と投稿した。
攻撃対象はフォルドゥのほか、中部ナタンズ、イスファハンにある核施設。米メディアによると、地中深くにあるフォルドゥの施設への攻撃には地下貫通型爆弾「バンカーバスター」が使われた。それ以外の施設には、巡航ミサイル「トマホーク」が撃ち込まれた。攻撃後も現地一帯での放射線量は増えていないとみられる。
イランのアラグチ外相はSNSで、米国の攻撃は国連憲章違反だと批判し、主権や国益を守るため全ての選択肢を排除しないと表明した。ロイター通信によると、国営テレビは「この地域の全ての米市民・軍が標的となった」との見解を伝えた。
米国は従来、対イラン直接参戦に慎重だった。しかし、トランプ氏は18日、核開発を放棄しないイランへの「忍耐は切れた」として参戦の可能性を示唆。19日には攻撃について「2週間以内に決断を下す」と述べ、外交交渉の余地を残す考えも示していた。米メディアによれば、攻撃前に体制転換の意図はないとイラン側に伝達したという。
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