トランプ米大統領、核交渉の立て直し躍起=イラン応じず、遠のく合意 2025年06月14日 13時59分

【ワシントン時事】イスラエルとイランの衝突が激化する中、トランプ米大統領はイランとの核問題を巡る交渉の立て直しに躍起になっている。自身のSNSで「二度目のチャンスはある」と核協議継続を繰り返し求めているが、核施設を空爆されたイランに応じる気配はない。トランプ氏が追い求める「外交成果」は遠のきつつある。
「手遅れになる前に交渉のテーブルに着き、取引すべきだ」。トランプ氏は13日、CNNテレビを含む複数のメディアと個別に電話インタビューに応じた。複数のメディアの取材に立て続けに答える異例の対応を見せる姿からは、交渉継続への焦りがうかがえた。
トランプ氏は1期目の2018年、オバマ政権が15年に実現したイランの核開発を制限する合意から一方的に離脱した。2期目に入ると「最大限の圧力」政策を再び掲げつつ、核兵器保有を阻止するとして対話を模索。対イランで強硬なイスラエルのネタニヤフ首相とは距離を置いた。
空爆直前の12日には「(交渉を)台無しにする恐れがある」「衝突は回避したい」などと述べ、イスラエルに自制を要求。だが、外交的解決を優先するトランプ氏の求めを無視するかのように、ネタニヤフ氏は軍事行動へと突き進んだ。
核協議の後退や紛争に巻き込まれることを嫌う米側は「イスラエルが単独行動を取った」(ルビオ国務長官)と空爆への関与を否定した。だが、イラン側は米国を「共犯者」だと主張する。中東メディアによれば、イランは15日に予定されていた米国との6回目の高官協議への出席を取りやめ、交渉から撤退する構えを見せている。