放射能レベル増えず=イラン核施設攻撃を批判―IAEA 2025年06月13日 15時03分

国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長=9日、オーストリア・ウィーン(EPA時事)
国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長=9日、オーストリア・ウィーン(EPA時事)

 【ベルリン時事】国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長は13日、イスラエルによるイラン中部ナタンズのウラン濃縮施設への攻撃を受けて、イラン当局から「放射能レベルは増えていない」と通知されたと明らかにした。一方、「国内外に重大な結果をもたらす放射性物質の放出につながる可能性がある」とイスラエルを批判した。
 ウィーンで開かれているIAEA理事会で声明を読み上げた。グロッシ氏は自ら状況を確認するため、早期のイラン訪問を目指す意向を示した。同国に派遣しているIAEAの核査察官とも連絡を取っているという。
 IAEAによると、5月半ば時点で、イランは濃縮度最大60%のウランを推定408.6キロ保有している。さらに濃縮すれば、核爆弾9個の製造が可能な量とされる。
 グロッシ氏はまたIAEAとして、核の安全確保に努めると強調。イランとイスラエル双方に、事態のエスカレーション回避へ「最大限の自制」を求め、外交的解決を訴えた。 

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