「ロシア派兵は人道の罪」=脱北者、国連総会で訴え 2025年05月21日 08時39分

国連本部=米ニューヨーク(AFP時事)
国連本部=米ニューヨーク(AFP時事)

 【ニューヨーク時事】国連総会は20日、北朝鮮による人権侵害を議論する会合を開いた。脱北者の女性がロシアへの北朝鮮兵派遣を「人道に対する罪だ」と糾弾し、日本の山崎和之国連大使は拉致被害者の即時帰還を求めた。これに対し、北朝鮮の金星国連大使は「わが国の尊厳を傷つける目的だ」と会合開催に反発した。
 登壇したキム・ウンジュさんは、脱北前に父親を飢餓で失った。食料を求めて逃れた先の中国では人身取引の被害に遭い「北朝鮮では今も人々が飢えに苦しみ、中国では虐待されている」と証言。ウクライナに侵攻するロシアへの兵士派遣は「新たな奴隷制度だ」と述べ、金正恩朝鮮労働党総書記は国際刑事裁判所(ICC)に責任を問われるべきだと訴えた。
 山崎氏も演説し、拉致問題は「国家の主権を侵害するものだ」と指摘。被害者家族の高齢化で「時間がない」として一刻も早い解決を要求した。
 一方、金氏は人権問題は「米国や西側諸国の作り話だ」と主張。ロシアや中国は北朝鮮を擁護した。 

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