俳優ドパルデュー被告に有罪判決=撮影現場で性的暴行―フランス 2025年05月13日 21時35分

フランスの俳優ジェラール・ドパルデュー被告=3月27日、パリ(AFP時事)
フランスの俳優ジェラール・ドパルデュー被告=3月27日、パリ(AFP時事)

 【パリ時事】フランス・パリの裁判所は13日、映画の撮影現場でスタッフの女性に性的暴行を加えた罪で、同国を代表する俳優の一人、ジェラール・ドパルデュー被告(76)に、執行猶予付き禁錮1年6月の有罪判決を言い渡した。仏メディアが伝えた。
 被告は在宅起訴され、判決公判には出廷しなかった。弁護士を通じ、判決を不服として控訴すると明らかにした。
 AFP通信によると、被告を巡っては、約20人の女性が暴行やセクハラに遭ったと主張。仏映画界で「ミートゥー(私も)」運動による追及を受けた最大の著名人となった。
 裁判で被害を訴えたのは、被告が主演した2022年の映画「レ・ボレ・ベール」(ジャン・ベッケル監督)の助監督(34)と美術担当(54)。判決は、2人が21年に撮影現場で胸や尻を触られたと認め、被告を「性犯罪者名簿」に登録するよう指示した。
 報道によれば、被告は今年3月に結審した公判で、自分は「別の時代」の人間であり、「粗野で、無礼で、口汚いことは認める」が、「体を触ったりはしない」と否認していた。
 一方、被告の弁護士は、被害を訴えた2人を「うそつき、ヒステリー」と非難。ルモンド紙は、法廷が「典型的な二次被害」の場になったと伝えた。 

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