最期の地、途絶えぬファン=テレサ・テンさん死去から30年―タイ 2025年05月07日 05時49分

「アジアの歌姫」と呼ばれた台湾の人気歌手テレサ・テンさんが、滞在先のタイ北部チェンマイで急死して8日で30年となる。宿泊していたホテルの部屋は保存され、訪れてテレサさんをしのぶファンが途絶えない。
テレサさんは「時の流れに身をまかせ」「つぐない」などのヒット曲で知られ、中華圏や日本などアジア諸国で人気を博した。1995年5月、宿泊先だった旧インペリアルメーピンホテルでぜんそくの発作を起こし、病院に搬送されたが死亡。42歳だった。
当時から営業担当としてホテルに勤務している女性従業員パカーパンさん(59)は「テレサさんは優しい人だった。地元の人の気さくな人柄や、マンゴーが好きで、チェンマイによく来ていた」と振り返る。
テレサさんの死後、ホテルは名前が変わり改装されたが、泊まっていたスイートルームは当時のまま公開され、ホテルで撮影した写真も飾られている。今も中国や台湾、日本、タイ、マレーシアなどからファンが訪れ、中には涙を流す人もいるという。
パカーパンさんは「私は間もなく定年で、当時を知るスタッフはホテルにいなくなるが、生前のテレサさんを感じることができる部屋の公開は続く」と話した。(チェンマイ=タイ=時事)。
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