メルツ氏、6日首相選出=保守連合と社民が連立協定―独 2025年05月05日 20時17分

【ベルリン時事】ドイツの保守政党連合キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)と中道左派の社会民主党(SPD)は5日、連立協定を正式に締結した。これにより、メルツCDU党首が6日に連邦議会(下院)で行われる首相指名選挙で首相に選出される。昨年11月以降続いていた「政治空白」は解消され、ドイツが欧州の要として国際政治に復帰する。
両陣営は5日、ベルリンで「ドイツに対する責任」と題した144ページの連立協定に署名。ピストリウス国防相の留任を含む閣僚人事も決まり、連邦議会の過半数を握る新たな与党の枠組みが発足した。メルツ氏は署名式で「激動の不確実な時代に生きており、この連立の成功は歴史的な責務だ」と決意を語った。
協定には移民対策の厳格化や企業減税による経済再建を明記。ロシアの侵攻を受けるウクライナへの支援拡大や、欧州全体の安全保障体制の立て直しもうたった。ただ、保守連合とSPDの間では財政や福祉政策などで方向性の違いも大きく、相思相愛とは言えない。