シリア大統領宮殿近くを空爆=「少数派保護」でけん制―イスラエル 2025年05月02日 16時29分

【イスタンブール時事】イスラエルのネタニヤフ首相は2日の声明で、シリアの首都ダマスカスにある大統領宮殿近くを空爆したと発表した。シリアでは、首都近郊などのイスラム教少数派ドルーズ派が多い地域で武装集団と治安部隊が衝突し、100人以上が死亡したと伝えられる。イスラエル側はドルーズ派の保護を名目にシリア暫定政府へけん制を強めており、緊張悪化が懸念される。
ネタニヤフ氏は「これはシリアの政権への明確なメッセージだ。ダマスカス南方への部隊展開、およびドルーズ派へのいかなる脅威も許さない」と主張した。
ドルーズ派はレバノンやシリア、イスラエル占領地ゴラン高原に多く居住し、イスラエルは昨年12月のアサド政権崩壊後、少数派保護などを理由にシリア南部で軍事作戦を続けている。暫定政府は「外国の介入は情勢悪化と分断を招くだけだ」と非難している。