アップルが「故意に命令違反」=外部決済、検察に調査要請―米地裁 2025年05月01日 11時28分

【シリコンバレー時事】米カリフォルニア州の連邦地裁は30日、米アップルがアプリ開発者に外部決済手段への誘導を認めるよう命じた司法判断を故意に履行しなかったと認定した。外部決済への手数料導入など、競争妨害を図ったと問題視。連邦検察に法廷侮辱罪で刑事訴訟を起こすべきか調べるよう求めた。
判事は命令の即時履行を求めている。外部決済に関する手数料が下がれば、アプリ内の商品・サービス価格の引き下げにつながる可能性がある。
訴訟の原告は人気ゲーム「フォートナイト」開発元のエピックゲームズ。地裁は2021年、アップルがスマートフォン向けゲーム市場を独占しているとする原告の主張を退けた。ただ、アップル以外の決済手段を利用者が選べるよう開発者向けの規則を見直すことを命じた。この命令は最高裁でも維持された。
アップルはアプリ内で外部決済に誘導するリンクを明示できるようにし、アプリ開発者に27%の手数料を設定した。地裁は諸費用を含めると、手数料が最大で30%となるアップルの決済手段よりも割高になるようにし、外部決済の導入意欲をそいだと判断した。
判事は「アップルは命令の目的を妨害し、収益源を維持するため反競争的行為を続けた」と批判。財務担当幹部が「法廷でうそをついた」とも述べ、検察の調査対象に含めるよう求めた。
アップルは「決定に強く反対する。命令に従うとともに、不服を申し立てる」(広報)とコメントした。