李在明氏が野党候補に=予備選、9割獲得の圧勝―韓国大統領選 2025年04月27日 17時53分

【高陽(韓国)時事】韓国大統領選に向け、革新系最大野党「共に民主党」は27日、ソウル近郊の高陽市で集会を開き、公認候補に李在明前代表(60)を選出した。李氏は、党員投票と世論調査を合算する方式の予備選で89.77%を獲得し、圧勝した。無党派層の取り込みを図り、6月3日投開票の本選で政権交代を目指す。
受諾演説では、尹錫悦前大統領の「非常戒厳」宣言に端を発する「内乱の克服」を強調。「民主主義の復元が国民統合の道だ」と訴えた。
李氏は、理念より現実を重視する「実用主義」を掲げる。尹政権の対日融和政策を厳しく批判してきたが、大統領選が近づくと無党派層を意識して日本や米国との協力重視の姿勢に転換した。
予備選では過激な発言を控え、日本とは「大局的に見れば協力が必要だ」と言及。「韓米同盟を尊重し、韓米日協力をよく構築しながら中国やロシアとの関係も管理しなければならない」との認識を示した。
李氏に挑んだ金東※(※ナベブタに兌)京畿道知事は6.87%、金慶洙前慶尚南道知事は3.36%にとどまった。韓国メディアによると、李氏の得票率は、予備選で過去最高だった。
李氏は前回の2022年大統領選で、0.73ポイントという僅差で尹氏に敗れた。その後、党代表に就いて24年4月の総選挙で国会の単独過半数を確保する大勝に導き、「一強体制」を固めた。
世論調査機関「韓国ギャラップ」の今月25日の発表では李氏の支持率は38%。保守系与党「国民の力」は最も高い韓東勲前代表でも8%、続く洪準杓前大邱市長が7%と、李氏が大きくリードする。同調査で李氏の支持率は上昇傾向にあるものの、4割の壁を越えられておらず、無党派層への支持拡大が課題として残る。